伊勢路踏破コース
伊勢ヘ七度、熊野へ三度
熊野古道伊勢路は、伊勢神宮と熊野三山を結ぶ紀伊半島東海岸にある約170 kmの巡礼道です。
一般的には地形の変化から北部エリア、中部エリア、南部エリアで構成されています。踏破するには宿泊施設に泊まりながら約1~2週間かかります。
このモデルコースの概要
- 所要日数
- 8日
- 歩行距離
- 168.4km
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ポイント間の距離と高低差


伊勢平野の田園風景を抜け、女鬼峠で熊野古道ならではの風景に出会う
伊勢神宮内宮→栃原
- 歩行距離
- 28.6km
- 所要時間
- 約8.5時間
伊勢神宮内宮で旅の安全を願い、参詣します。宇治橋からは鳥居前町の「おはらい町」を通り抜けていきます。両宮常夜燈を左手に見ながら、日本有数の歓楽街であった古市へ。外宮で参詣した後は、宮川の土手を歩いて、度会橋(わたらいばし)で対岸に渡り、伊勢平野の田園風景を眺めながら、田丸へと向かいます。
城下町でもあり宿場町でもある田丸の街並みを通り抜け、最初の峠である女鬼峠(めきとうげ)の北側の登り口に到着します。標高120m、約2kmと伊勢路の中でも距離が短く、標高の低い峠ですが、短い距離ながらも熊野古道の雰囲気を味わうことができます。峠を越えると相鹿瀬(おうかせ)の集落に下り、柳原観音千福寺(やないばらかんのんせんぷくじ)を経て、栃原に到着です。
見どころスポット
周辺の宿泊施設

殿様井戸跡や行き倒れ墓碑で、巡礼の過酷さに思いを馳せる
栃原→滝原駅入口
- 歩行距離
- 21.4km
- 所要時間
- 約7時間
栃原駅または栃原バス停を出発すると、最初に馬鹿曲がりを歩きます。わずか700mの未舗装区間ですが、線路の下の暗い通路を抜け、不動谷川沿いを歩いて、木橋を渡ります。続いて、こちらもわずか200mの猿木坂を上り下りし、殿様が鷹狩の際に休憩したとされる殿様井戸跡へ進みます。
その後、行き倒れ墓碑が立て続けにあり、当時の巡礼の過酷さに思いを馳せ、観音寺の前を通過し、高奈の道標地蔵、道中安全祈願地蔵にお参りし、定峠を登ります。慶雲寺を過ぎると、三瀬砦跡(みせとりであと)、大谷不動明王(おおたにふどうみょうおう)があり、時間に余裕がある際は立ち寄ってみましょう。三瀬坂峠(みせさかとうげ)を越えて、瀧原宮(たきはらのみや)に参拝し、滝原で宿泊します。
見どころスポット
周辺の宿泊施設

緩やかな勾配を上り、「花の寺」大蓮寺に
滝原駅入口→大内山駅
- 歩行距離
- 16.6km
- 所要時間
- 約4.5時間
旧道を歩いていき大宮小学校の横を通り、石灰華、阿曽観音堂と進み、阿曽駅に到着です。近くには阿曽バス停もあります。阿曽バス停からは国道42号と旧道を交互に歩いていき、津島神社、宝蔵寺(ほうぞうじ)を越え、柏野大橋を渡ります。伊勢柏崎駅の前を通過し、大蓮寺(だいれんじ)の境内に立ち寄ってみましょう。
大蓮寺(だいれんじ)を出発したら、紀勢自動車道の真下にある一の谷踏切を渡って、国昌寺(こくしょうじ)を目指します。大内山の一里塚に到着すると、未舗装区間である芦谷道(あしだにみち)を通って、大内山駅まで歩きます。
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ツヅラト峠を越え、魚まちを経て古里の温泉へ
大内山駅→古里
- 歩行距離
- 17.7km
- 所要時間
- 約6〜7時間
大内山駅前の旧道を歩き、間弓横断歩道で反対車線に渡ると、梅ケ谷駅はまもなくです。
梅ケ谷駅から栃古橋(とちこばし)を左折、ツヅラト峠の登り口から600mほど進むとツヅラト峠です。下りは九十九折りの石畳の道が続きます。その後、赤羽川(あかばがわ)沿いに進んで、長島橋を渡り、魚まちの中を歩き、国道42号沿いを南下します。一石峠(いっこくとうげ)を越えたら、古里です。
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美しい石畳は伊勢路随一。峠を越えたら港町尾鷲の海鮮に舌鼓
古里→尾鷲
- 歩行距離
- 23.9km
- 所要時間
- 約8.5時間
古里バス停を出発して、すぐにサボ鼻道に入ります。紀伊の松島を眺めながら、道瀬海岸(どうぜかいがん)を歩き、三浦峠を登ります。始神峠(はじかみとうげ)を登りきり、大船橋(おおふなばし)、海山郷土資料館、船津集落を通り、相賀神社に到着です。
その後は、馬越峠(まごせとうげ)登り口に向かいます。登り口から勾配のある石畳が続きますが、約70分ほどで峠に到着です。下りも急な坂道ですが、尾鷲神社そばの北川橋を過ぎると平坦な尾鷲市街地です。尾鷲駅は路線バスの南北移動の拠点にもなっています。
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伊勢路の中で最も長く高低差が大きい峠越え
尾鷲→賀田駅
- 歩行距離
- 17.6km
- 所要時間
- 約8時間
尾鷲駅または中川橋から八鬼山越え登り口を目指します。熊野古道センターに立ち寄るのも良いでしょう。伊勢路の中で最も距離が長く、かつ高低差も大きい峠越えですが、さくらの森広場では絶景が待っています。
三木里まで下りてくると、美しいビーチに出会えます。八鬼山を越えたらもうひと踏ん張り、国道311号を進みヨコネ道を目指します。三木峠では展望台の眺望を楽しみ、羽後峠(はごとうげ)を越えて賀田集落(かたしゅうらく)に入ります。
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3つの峠を越えると、美しい新鹿のビーチが広がります
賀田駅→獅子巌
- 歩行距離
- 20.2km
- 所要時間
- 約9時間
賀田駅を出発し、飛鳥神社(あすかじんじゃ)から曽根次郎坂太郎坂を登ります。急坂が続きますが、鯨石(くじらいし)など見どころがあります。甫母峠(ほぼとうげ)で休憩し、楯見ヶ丘(たてみがおか)で熊野灘を一望して、二木島駅(にぎしまえき)へ向かいます。二木島駅から二木島峠に登り、谷を挟んだ逢神坂峠(おうかみざかとうげ)を越えると新鹿湾が見えてきます。二木島駅から約5km進むと新鹿駅(あたしかえき)に到着します。
新鹿湾の美しい浜を左手に見ながら、重厚な石畳の波田須の道を進み、風光明媚な波田須集落を経て、大吹峠(おおぶきとうげ)を越えます。大泊のビーチを見ながら、松本峠を越え、熊野市街地を進み、獅子巌へと歩きます。
※大吹峠を北に進むと、大観猪垣道を経由して観音石像が立ち並ぶ観音道を歩くルートも選べます。
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七里御浜の堤防上を歩く浜街道コースを通り熊野速玉大社へ
獅子巌→熊野速玉大社
- 歩行距離
- 22.4km
- 所要時間
- 約7時間
熊野灘を臨みながら、七里御浜の堤防を南下します。有馬一里塚に立ち寄り、一度国道42号に出て、志原川(しはらがわ)を渡ります。神志山(こうしやま)の巡礼供養碑から再び七里御浜の松林を進み、水神塔(すいじんとう)を過ぎて、市木川(いちぎがわ)を渡ります。御浜町役場前から未舗装路の海岸ルートを歩くと最後は黒潮橋を渡って、道の駅パーク七里御浜です。
そこからさらに旧道を歩いて阿田和橋を渡り、国道42号に合流します。道の駅紀宝町ウミガメ公園に立ち寄り、馬場地踏切(ばばじふみきり)から緩やかな登りになります。横手延命地蔵、粥森様(かいもりさま)を過ぎると、熊野川です。熊野大橋を渡ると、待ちに待った熊野速玉大社です。
翌日からは熊野三山を巡り、熊野那智大社や熊野本宮大社を目指しましょう。
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