中部エリア踏破コース
中部エリア踏破コースはその昔、西国第一の難所と言われた「八鬼山越え」など10コース約78㎞を最短で6日間かけて歩くコースです。
伊勢を出発した巡礼者が山深い古道から一転、まばゆいばかりの太平洋を望むツヅラト峠が幕開け。江戸時代の紀行作家や俳人の足跡もたどりながら、光、空気、音など五感を研ぎ澄まし自然と一体となった古道を歩くという行為の中で、「非日常と日常に巡礼がある」のだと実感します。
沿道の巨岩や巨木、色とりどりの草花、時折り出会う動植物。知らず知らずに伊勢路の魅力に引かれている自分を発見するでしょう。(文:語り部 山脇弘蒔)
このモデルコースの概要
- 所要日数
- 6日
- 歩行距離
- 78.0km
周辺の天気予報




ポイント間の距離と高低差


ツヅラト峠を越え、魚まちを経て古里の温泉へ
梅ケ谷駅→古里
- 難易度
- 2.5
- 歩行距離
- 15.5km
- 所要時間
- 5.5~6.5時間
- 積算上昇高度
- 300m
- 積算下降高度
- 510m
梅ケ谷駅または梅ヶ谷バス停を出発して、栃古橋(とちこばし)を左折、ツヅラト峠の登り口から600mほど進むとツヅラト峠です。下りは九十九折りの石畳の道が続きます。その後、赤羽川(あかばがわ)沿いに進んで、長島橋を渡り、魚まちの中を歩き、国道42号沿いを南下します。一石峠(いっこくとうげ)を越えたら、古里です。
※梅ヶ谷駅を出発し、南へ進むと、荷坂峠を越えるルートも選べます。このルートでは、見晴らしの良い沖見平からの景色を楽しめるほか、「道の駅 紀伊長島マンボウ」に立ち寄ることもできます。
見どころスポット
周辺の宿泊施設

紀伊の松島を眺め、峠を越える長距離コース
古里→相賀
- 難易度
- 2.5
- 歩行距離
- 16.8km
- 所要時間
- 6~7.5時間
- 積算上昇高度
- 345m
- 積算下降高度
- 355m
古里バス停を出発して、すぐにサボ鼻道に入ります。紀伊の松島を眺めながら、道瀬海岸を歩き、三浦峠を登ります。その後、三野瀬駅を通過しますが、伊勢神宮外宮と熊野速玉大社の中間点(83km)がここにあたります。始神峠を登りきり、緩やかな明治道を下り、大船橋、海山郷土資料館、船津集落を通り、相賀神社に到着です。
※始神峠を登りきり、分岐から江戸道を進むルートを選ぶことも可能です。(世界遺産登録は江戸道)
見どころスポット
周辺の宿泊施設

美しい石畳は伊勢路随一。峠を越えたら港町尾鷲の海鮮に舌鼓
相賀→尾鷲
- 難易度
- 2.5
- 歩行距離
- 7.1km
- 所要時間
- 3~4時間
- 積算上昇高度
- 365m
- 積算下降高度
- 350m
相賀駅または相賀新町バス停を出て、馬越峠(まごせとうげ)登り口に向かいます。登り口から勾配のある石畳が続きますが、約70分ほどで峠に到着です。下りも急な坂道ですが、尾鷲神社そばの北川橋を過ぎると平坦な尾鷲市街地です。尾鷲駅は路線バスの南北移動の拠点にもなっています。
馬越峠だけですが、翌日はハードなため、ここで体力を回復しましょう。
見どころスポット
周辺の宿泊施設

伊勢路の中で最も長く高低差が大きい峠越え
尾鷲→飛鳥神社
- 難易度
- 5.0
- 歩行距離
- 18.5km
- 所要時間
- 8~10時間
- 積算上昇高度
- 1020m
- 積算下降高度
- 1025m
尾鷲駅または中川橋から八鬼山越え登り口を目指します。熊野古道センターに立ち寄るのも良いでしょう。伊勢路の中で最も距離が長く、かつ高低差も大きい峠越えですが、さくらの森広場では絶景が待っています。三木里まで下りてくると、美しいビーチに出会えます。
八鬼山を越えたらもうひと踏ん張り、国道311号を進みヨコネ道を目指します。三木峠では展望台の眺望を楽しみ、羽後峠(はごとうげ)を越えて賀田集落(かたしゅうらく)に入ります。飛鳥神社(あすかじんじゃ)にて参詣すると良いでしょう。疲れを考慮して、三木里で宿泊することもできます。
見どころスポット
周辺の宿泊施設

3つの峠を越えると、美しい新鹿のビーチが広がります
飛鳥神社→新鹿
- 難易度
- 3.0
- 歩行距離
- 9.9km
- 所要時間
- 4~5.5時間
- 積算上昇高度
- 720m
- 積算下降高度
- 720m
飛鳥神社(あすかじんじゃ)から曽根次郎坂太郎坂を登ります。急坂が続きますが、鯨石(くじらいし)など見どころがあります。甫母峠(ほぼとうげ)で休憩し、楯見ヶ丘(たてみがおか)で熊野灘を一望して、二木島駅(にぎしまえき)へ向かいます。
二木島駅から二木島峠に登り、谷を挟んだ逢神坂峠(おうかみざかとうげ)を越えると新鹿湾が見えてきます。二木島駅から約5km進むと新鹿駅(あたしかえき)に到着します。
見どころスポット
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峠の高さは低くなり、海岸美を楽しむことができる、見どころが多いルート
新鹿→花の窟
- 難易度
- 2.0
- 歩行距離
- 10.2km
- 所要時間
- 4~5時間
- 積算上昇高度
- 475m
- 積算下降高度
- 470m
新鹿湾の美しい浜を左手に見ながら、重厚な石畳の波田須の道を進み、風光明媚な波田須集落を経て、大吹峠(おおぶきとうげ)を越えます。大泊のビーチを見ながら、松本峠を越え、熊野市街地を進み、獅子巌、花の窟(はなのいわや)へと歩きます。
※大吹峠を北に進むと、大観猪垣道を経由して観音石像が立ち並ぶ観音道を歩くルートも選べます。
見どころスポット
周辺の宿泊施設


